スヴェーデンボリ出版で出されているスヴェーデンボリの著作では、その内表紙のラテン語の題名とともに「庭園で天使が鉢植えの植物に水を注いでる絵」がよく使われています。
これはアムステルダムで出版されたスヴェーデンボリの著作のその扉絵と同一のものです(ロンドンで出版されたものには付いていません)。
この絵の庭園はスヴェーデンボリ自身の庭と似ています(『スヴェーデンボリ叙事詩』411ページ参照、なおスヴェーデンボリは植物栽培が趣味でした、同じく『同書』第28章)、するとその天使はスヴェーデンボリのことでしょうか。
さて、陰影がはいってやや読みづらくなっていますがその絵の上方に題字「CURA ET LABOREの文字があります。ラテン語で「世話と労働をもって」という意味です(curaもraboreも奪格なので英語なら〝with care and with labor”でしょう)。
スヴェーデンボリ(天使)が植物を「cura et rabore」育てているように、私たちも、スヴェーデンボリが蒔いた植物を、すなわち、その著作を「cura et rabore 」読み、学びたいものです。
(鈴木泰之)『SPSC会報』第3号に掲載